内容(「MARC」データベースより)
なぜか日本人は仏教のことも、着物のことも、三味線のことも知らなくなってしまった。こういうなかで、私たちは何を感じ、考えればいいのか。「大人」は読んではいけない、足し算の文明と引き算の文化の講義。
目次
第1講 人間と文化の大事な関係(「関係」は変化しやすい
「編集」とは何か ほか)
第2講 物語のしくみ・宗教のしくみ(物語と言語
語り部の記憶 ほか)
第3講 キリスト教の神の謎(生と死の問題
イエス・キリストとは何か…謎・その1 ほか)
第4講 日本について考えてみよう(日本らしさとは何か―「コード」と「モード」
日本の神話に戻ってみる ほか)
第5講 ヨーロッパと日本をつなげる(「異教の知」―ルネサンスの幕開け
神秘のヘルメス思想 ほか)
タイトルは「17歳のための」と書いてありますが、はっきり言って、高校生のころに歴史や倫理の授業に価値を見出せなかった大人たちが読むべき本でした。
第1章の、民族の記憶の保管庫として、人類は「物語」を伝達する方法を編み出し、物語を伝達することによって言語が洗練されていったという話に始まり(割と定説な学説なのかどうか不明)、古代から中世、ヨーロッパと日本、あらゆる時代のあらゆる文化圏において、当時の世情の中で起きた出来事が、人々に影響を与えることで文化が変化し、社会が大きく変わっていくさまが描かれています。
高校のときに習った世界史は、記号として年代や出来事を整理して覚えるような無味乾燥としたものだと記憶しています。
本来は、本書で描いているように、もっと当時の人々の心情や感情にフォーカスをあてなぜそのような社会変化が起きたのか?を考えていくのが歴史や文化であると思いました。
もっといろんな人に読んでほしい一冊。
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